「夜、眠ろうとしてもなかなか寝付けない」
そんな悩みを抱えている方が少なくありません。
寝る前のスマホを止めたり、寝具を変えてみたりしたけれど、効果が無かった、という経験を持つ方もいると思います。
そんな時にぜひ試していただきたいのが、深部体温の切り替えスイッチをオンにする入浴方法です。
なぜ入浴で、深部体温を切り替えると快眠につながるのか。
具体的な方法や取り入れ方を、くわしく解説いたします。
深部体温の切り替えスイッチとは
私たちは普段、脇の下などで体温を測ります。体温計で測定した皮膚体温は、36~37℃くらいが一般的です。
一方で、身体の内側である深部の体温は、さらに2℃ほど高いといわれています。
この深部体温が、夜になって低くなると、私たちの身体は自然に眠くなります。
また深部体温は、上がった分だけ下がろうとする性質があるため、寝る前に身体を温めておくと、深部体温の切り替えスイッチが入り、より眠りやすくなります。
深部体温を上げるために、すぐできる方法が、毎日の入浴習慣です。
身体を動かして体温を上げる方法は、交感神経が優位になり、身体が活動的になってしまうため、おすすめできません。
夜はシャワーのみ、帰宅後すぐに入浴、という習慣も、寝る前の深部体温が上がらないため、控えましょう。体温の低下がゆるやかになり、快眠につながりにくくなります。
この後紹介する正しい入浴方法を取り入れて、深部体温の切り替えスイッチが入る習慣を身につけましょう。
入浴で深部体温を上げるメリット
快眠につながる方法はいろいろありますが、深部体温の切り替えスイッチを入れる方法は、寝る時間を問わず実践できる点がメリットです。
「平日と土日で寝る時間が違う」
「いつも夜更かししていて深夜にしか寝ない」
「交替制の仕事で、眠る時間が頻繁に変わる」
と言う場合も、入浴時間に注意するだけで、寝つきやすくなります。
普段の生活へ、無理なくプラスできる入眠方法を探している方は、入浴で深部体温へアプローチしてみてください。
次に、快眠へ導く3つの入浴方法をみてみましょう。
快眠につながる3つの入浴方法
心地よい眠りを目指すなら、深部体温の切り替えスイッチを上手に入れる、入浴方法が欠かせません。普段の入浴スタイルを見直して、眠れるお風呂の入り方に変えてみましょう。
方法1:お風呂の温度は40℃前後
深部体温を上げれば上げるほど眠れそう……と熱々のお風呂に長時間浸かるのはNGです。交感神経が優位になってしまい、寝つきが悪くなります。
おすすめの入浴温度は40℃前後。
身体の奥まで温まるように、シャワーのみや半身浴ではなく、しっかり肩まで浸かりましょう。
方法2:入浴は寝る90分前が目安
入浴によって深部体温が上昇し、その後下がるまで、90分程度かかると言われています。
お風呂に30分くらい時間がかかる場合は、寝る2時間前にバスタイムを設けてください。
早すぎてしまうと、布団に入る前に体温が低下してしまい、タイミングを失ってしまいます。遅すぎる場合も、90分後の眠気を待たなければならず、睡眠時間を減らしてしまう恐れがあるでしょう。
どうしても寝る直前に入浴しなければいけない、と言う場合は、ぬるめのシャワーでさっと済ませるなど、深部体温を上げない方が良い睡眠につながります。
方法3:入浴時間は15分
深部体温を高めるために、入浴時間はゆっくり取りましょう。目安は15分程度です。
身体を軽くマッサージしたり、好みの入浴剤を入れたり、目を閉じて深呼吸をしたり、リラックスした時間を過ごしてください。
寝る90分前入浴を導入する際の注意点
眠りたい時間の90分前に入浴するだけで、深部体温の切り替えスイッチがオンにできます。
ですが、普段の生活習慣によっては、良いタイミングでお風呂に入っていても、スムーズに入眠できない場合があります。
90分前入浴習慣をはじめる前の、注意点も覚えておきましょう。
注意点1:入浴90分後に布団に入る
寝る90分前にお風呂に入っても、90分後にダラダラテレビを見ていたり、明るい部屋でスマホを見ていたり、という状態では、眠気が訪れにくくなります。入浴から90分が過ぎる少し前のタイミングで布団に入り、寝る体制を整えておきましょう。
注意点2:適切にエアコンを使用する
暑い夏場は、寝室のエアコンを適切に使用すると、深部体温の低下を促せます。皮膚体温程度に深部体温を下げるのが目的のため、冷やしすぎる必要はありません。28℃程度に設定して、静かに睡魔が訪れるのを待ちましょう。
まとめ
入浴時間を寝る90分前に変えると、これまでよりも短い時間で入眠できます。
早く眠りにつくことで、睡眠時間が長く深くなり、脳や身体をしっかり休ませられます。
「眠れない時間に悩まされたくない」
「早く眠って、翌日元気に活動したい」
それなら、お風呂で深部体温を上げて、90分後に布団で身体を冷やす生活を取り入れてみてください。