イヤイヤ期が落ち着いて、お世話が楽になってきた……そんな頃に訪れるのが、目で見たもの、手で触れたもの、すべてが気になる「なぜなぜ期」です。
はじめのうちは子どもの成長に感動したものの、終わらない「なんで?」に疲れ果てるパパママが少なくありません。
ですが、なぜなぜ期は子どもにとって大切な時間。
「なんで?」が必要な理由と、どのように対応するのが正解なのか、解説いたします。
なぜなぜ期はどうして必要?
早ければ2歳くらいから、遅い場合は6歳くらいに訪れるなぜなぜ期。
1~2歳のころは、
「あれなあに?」
「お空だよ」
そんな問答で終わっていたやりとりが、
「あれなあに?」
「お空だよ」
「なんであおいの?」
「たいようのひかりで青くなるんだよ」
「たいようってなに?」
「お空にあるまぶしく光っているのがたいようだよ」
「なんでひかってるの?」
このような連鎖を起こすようになり、終わりがみえません。
なぜなぜ期が訪れるのは、急激に脳が発達するからだと言われています。
あらゆる疑問から、考える力を養う時期でもあります。
答えがみつからなかったり、話が長引いて家事が後回しになったり、イライラしてしまいがちな場面ですが、子どもを健やかに育むチャンスととらえて、できるかぎり対応してあげましょう。
パパママがとるべき“なぜなぜ期”の対応
子どもの成長に必要な、なぜなぜ期。
大人はどう対応するべきなのでしょうか?
覚えておきたい対応法を覚えておきましょう。
対応1:できるかぎりその場で答える
なぜなぜ期の子どもは、目の前の疑問を解決したいと考えています。
その場で答えを出してあげると、すぐ納得でき、話が終わりやすいでしょう。
忙しい場合は、「あとでね」でも構いませんが、質問を忘れてしまうと不信感につながります。
子ども自身も、せっかく芽生えた疑問を忘れてしまうケースが多いため、できるかぎり早めに回答するのがおすすめです。
対応2:図鑑や本で一緒に調べてみる
「ありは何を食べるの?」
「この黄色い花は何?」
など、図鑑にのっている質問は一緒に調べましょう。
図鑑や本がない場合は、スマホでも構いません。
実際の写真や画像を見ながら説明すると、より記憶に残りやすくなります。
分からないことがあれば、図鑑や本をみれば載っている、という事実が伝わり、本好きな子どもになる可能性もあります。
子どもが好きなジャンルがあれば、その分野の図鑑を1冊用意しておきましょう。
対応3:難しい問題は子どもに考えさせる
子どもの質問によっては、すぐに回答が見つけられない、図鑑や本、スマホ検索では答えにたどりつけない、という場合があると思います。
「どうして幼稚園に行かなければいけないの?」
「死んでしまったおばあちゃんはどこに行くの?」
など、すぐに答えが出ない質問を受けた場合は、
「○○くん(○○ちゃん)はどう思うの?」
と尋ねてみましょう。
自分で考える時間が、子どもの成長につながります。
親の意見も伝えながら、一緒に答えを探してみてください。
対応4:疑問に感じたことを褒める
子どもになんで? と聞かれたら、
「不思議に思うなんてすごいね!」
「目の前のものごとに良く気づけたね!」
そんな風にまずは褒めてあげてください。
「ママも不思議に思っていたんだ! 一緒に調べてみよう」
といった言葉で、子ども目線に立つのもおすすめです。
子どもの疑問がささいなことでも、否定は厳禁です。
「そんなの当たり前」
「そんなことも分からないの?」
といった言葉をかけてしまうと、子どもの自尊心が失われてしまいます。
「なんで? ってたくさん思うのはすごいことなんだよ」
「なんで? って思うことがあったら、またママにおしえてね」
このような声かけができると、より子どもを伸ばせます。
大変な時期ですが、必ず終わりがやってきます。
無理のない範囲で寄り添ってあげましょう。
なぜなぜ期がこなくても大丈夫?
周りのパパママがなぜなぜ期に悩まされているのに、自分の子は「なんで?」のそぶりがない、という場合もあります。
「子どもの成長に影響があるのでは?」
と不安になってしまうかもしれませんが、気にしなくて大丈夫です。
親が子どもの「なんで?」を察知して、先回りして答えているケース。
「なんで?」と思ったことを自分の中で考え、答えを想像しているケース。
など、疑問の解消方法は「なんで?」「どうして?」と聞くだけではありません。
人よりも遅れてなぜなぜ期が来る場合もあります。
心配し過ぎることなく、その子に合った接し方で信頼関係を築いていきましょう。
まとめ
子どものなぜなぜ期は、成長にとって必要な時間。
時間のゆるす限りつきあって、「なんで?」を「そうなんだ!」に変えてあげましょう。
なぜなぜ期が来なくても、子どもはちゃんと育っています。
日ごろの会話を通じて、その子のペースで良い部分を伸ばしてあげてください。
親にとっては負担が大きいこの時期ですが、小学校高学年くらいになると一気に会話が少なくなります。
上手に息抜きしながら、今だけの時間を楽しむつもりで、質問の答えを探してみてください。