最近では小学生でもスマートフォンを持ち、SNSを使い始めることが当たり前になってきています。
でも、知識や判断能力がまだ十分でない年齢なので、ネットの世界でトラブルに巻き込まれやすいのが現状です。
この記事では、小学生のSNSトラブルの事例を紹介しながら、親としてどんな対策ができるのかをわかりやすく解説します。
小学生のSNSトラブル
SNSは便利で楽しい反面、危険も潜んでいます。ここでは小学生に起こりやすいトラブルを取り上げます。
ネットいじめ
友達とのコミュニケーションが目的でSNSを使い始めたのに、それがきっかけでいじめに発展するケースは珍しくありません。
実際に、2020年に東京都町田市の小学6年生の女の子が「いじめを受けていた」と遺書を残して亡くなるという痛ましい事件がありました。
彼女はチャットで悪口を書かれるなどの被害にあっていたといいます。
ストーカー被害
写真の背景や瞳に映った風景には、思ったより多くの情報が含まれています。
「ただの自撮り」や「楽しかった日常の記録」のつもりで投稿していても、ランドセルや制服で特定されるかもしれません。
掲示板で誹謗中傷や個人情報を書かれる、大量のメールやメッセージを送りつけられるといったネットストーカー被害は年々増えているため、注意が必要です。
誘拐・略取
SNSで「同じ年の子だと思って話してたのに、実は大人だった…」という事例も少なくありません。
言葉巧みに近づいてきて、「〇〇ちゃんのパパだよ」「お母さんに頼まれて迎えにきたんだよ」と騙されてしまうケースも。
2019年には大阪の小学6年生の女の子が行方不明になった事件もありましたが(6日後に栃木県で無事保護されました)、このきっかけもSNSだったそうです。
著作権侵害
アニメやアイドルの画像を無断で使ったり、テレビの画面を撮ってアップしたりする行為は著作権侵害。
よくあるケースのため軽く思われがちですが、罰則は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金と非常に重いもの。
小学生は悪気がないままやってしまうことが多いので、親が「これはアップしてはいけないよ」「SNSのアイコンにしちゃダメなのよ」と具体的に教える必要があります。
保護者ができるSNSトラブル防止策
SNSの危険から子どもを守るには、親が先回りして環境を整えることが大切です。ここでは、今すぐできる防止策をご紹介します。
「してはいけないこと」を伝える
SNSは便利ですが、使い方を間違えると怖い場所にもなりえます。
だからこそ、親が「SNSで絶対にしてはいけないこと」をわかりやすく伝えておくことが重要です。
たとえば、「自分や家の場所がわかる写真を投稿しない」「知らない人とやりとりしない」「会おうと言われても絶対に会わない」など、具体的なルールにして伝えましょう。
ペアレンタルコントロールを設定する
スマホを子どもに渡す前に、まずやっておきたいのが「ペアレンタルコントロール」の設定です。
簡単に言えば、親があらかじめ制限をかけられる機能です。具体例をまとめました。
- 年齢制限のあるコンテンツを閲覧できないようにする
- ゲームアプリに課金できないようにする
- 夜9時以降は使えないようにする
- 有害なアプリはダウンロードできないようにする
スマホやタブレット・PC・ゲーム機で設定できるはずなので、一度確認してみてください。
SNSアカウントを作らない
「インスタやってみたい!」「TikTokのアカウント作ってもいい?」そんな風にお願いされることもあるかもしれません。
でも、大半のSNSは13歳未満の利用が禁止されています。つまり、小学生はそもそも利用してはいけない年齢なのです。
アカウントがあれば、他人からメッセージが届いたり、コメントを通じて知らない人とつながってしまったりするリスクが高まります。
トラブルの元を断つ意味でも、「小学生のうちはSNSアカウントは作らない」というルールを家庭で決めておくとよいでしょう。
相談窓口を伝える
SNSでトラブルにあったとき、友達や親に言えないと感じる子もいるかもしれません。
そんなときのために、「ひとりで悩まなくていい場所」があることを伝えておきましょう。
電話やメール・LINEで無料相談できるので、ルール表と一緒にまとめて渡すことをおすすめします。
まとめ
今や小学生でもスマホを持つ時代。便利な反面、SNSにはいろいろな落とし穴があることを改めて感じたのではないでしょうか。
ネットいじめ、ストーカー、誘拐、著作権のトラブル、どれも「うちの子は大丈夫」とは言い切れません。
リスクを減らすには、親子でルールを決めて、お子さんがうまく付き合えるようにすることが大切なのです。
ぜひこの記事を参考にして、ネットリテラシーを育てていきましょう。