「夜なかなか寝付けないから晩酌をしている」
「ぐっすり眠れるように、一日の疲れやストレスを飲酒で発散している」
そんな生活を送っていませんか?
酒は百薬の長と言いますが、飲み過ぎてしまっては、身体に悪影響を与えます。
寝酒の危険性や自分に適した飲酒量を知り、ただしく付き合いましょう。
寝酒が睡眠薬と同じくらい危険な理由
「睡眠薬を飲むほどではないけれど、お酒を飲まないと眠れない」
このような状態になっているなら、注意が必要です。
日本で処方されている睡眠薬の多くが、脳内のGABA‐A(ギャバ・エー)受容体に作用するタイプなのですが、アルコールを飲酒後に眠くなるのも実は同じメカニズムです。
睡眠薬を飲み続けると、耐性ができて薬が効きにくくなる、薬を中止した時に不眠や動悸、発汗などの離脱症状が起こる、といった恐れがあります。
メカニズムが同じお酒も、
・少しの量では眠れなくなる
・お酒を飲まないと眠れなくなる
・お酒を止めた時に離脱症状が起きる
といったトラブルにつながってしまいます。
お酒は睡眠薬よりも身体に良い、負担が少ないと考えがちですが、寝酒としての飲酒や多量の飲酒は危険です。
飲む量がどんどん増えて、アルコール依存症になってしまうケースもあるため注意しましょう。
睡眠に良い習慣を取り入れてもなかなか寝付けないなら、お酒に頼るのではなく、心療内科などで眠れない理由を探り、適量の睡眠薬や安定剤などを処方してもらう方が安全です。
参考サイト:ヨミドクター/睡眠薬と寝酒 どっちが安心?
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190809-OYTET50006/
寝酒の適量はある?
寝る前にお酒を飲む場合、適した量はあるのでしょうか?
少量なら問題ない、そう考える方が多いのですが、寝酒は睡眠の質を落とします。
飲んだ後の寝付きは良くなりますが、中途覚醒や早期覚醒しやすくなり、ぐっすり眠れなくなります。せっかく眠れても、何度も目を覚ますような睡眠では疲れが取れません。
お酒を飲むなら、寝酒ではなく、夕飯などのタイミングで適量を摂取しましょう。
適量はお酒の強さによっても変わりますが、厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」では、「節度ある適度な飲酒量」を1日平均純アルコールで約20g程度と定めています。
純アルコールで約20gの目安は以下の通りです。
出典:SUNTORY/https://www.suntory.co.jp/arp/proper_quantitiy/
合わせて、週に2回程度の休肝日を設けて、身体への負担を減らすと、お酒と良い付き合いができます。
参考サイト:吉本メディカルクリニック/寝酒はダメ!アルコールについて
https://mcli.net/blog/2017/5/29
睡眠薬とお酒を混ぜるのは厳禁!
睡眠の問題を抱えている人の中には、
「睡眠薬では眠れないから、お酒も合わせて飲んでいる」
という例がみられます。
深く眠れるイメージがあるかも知れませんが、非常に危険のため、合わせて飲むのは避けましょう。
先ほど触れたとおり、睡眠薬やお酒がもたらす睡眠のメカニズムは同じです。
同時に飲んでしまうと、アルコールの分解、睡眠薬の分解を同時に行うため、分解にかかる時間が長くなり、作用が強く出てしまいます。
併用した結果、記憶障害、意識障害、呼吸抑制、翌日まで続く眠気、ふらつきや転倒といった症状が出る恐れがあります。ひどい場合は夢遊病のように外を徘徊してしまう、翌日の車の運転で事故を起こしてしまった、という事例もあります。
眠りにはつけるかもしれませんが、ケガや不調だけでなく、周りに迷惑をかけるトラブルの原因にもなるため、絶対に控えるようにしましょう。
参考サイト:阪野クリニック/アルコールと睡眠薬を一緒に飲むリスク
https://banno-clinic.biz/mixing-alcohol-sleeping-pills/
お酒を飲まずに睡眠の質をあげる方法
お酒を飲むと寝付きは良くなるものの、どんどん量が増えてしまう、夜中に何度も目が覚める、睡眠時間が短くなってしまう、といった理由で睡眠の質が悪くなります。
ぐっすり眠れる習慣を身につけるなら、お酒以外の方法を取り入れてみてください。
1.寝る1~2時間前に入浴する
私たちの身体は、体温が下がると眠くなります。
お酒で体温を上げ続けてしまうのではなく、寝る1~2時間くらい前にぬるめのお風呂に入浴して、徐々に体温が下がるように準備しておきましょう。
2.寝る少し前に照明を暗くする
明るい照明の中にいると、脳が睡眠モードに入れません。
寝室の照明は早めに暗くして、入眠スイッチをオンにしましょう。
3.スマホやテレビは早めに消す
布団に入るギリギリや、布団に入ってからもスマホやテレビをつけている習慣も、寝付きの悪さにつながります。寝る1時間前を目安に、スマホやテレビ、パソコンの使用は避けて、ゆったり眠れる環境を整えましょう。
まとめ
最近なんだか寝付きが悪い……その原因、毎晩の飲酒にあるかもしれません。
飲んでも眠れないなら、思い切って寝酒はやめて、身体に良い習慣を取り入れてみてください。
お酒は趣味やコミュニケーションの一環として楽しむのが正解。
睡眠は飲む以外の方法で質を上げて、健康的な毎日を送りましょう。
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