最近は小学生でもスマホを持つのが当たり前になり、友達と一緒にゲームを楽しむ時間も増えています。もちろん、適度に遊ぶのは悪いことではありません。
でも、寝る時間になってもまだ画面に夢中…という状態が続くと、子どもの健康や生活リズムが心配になりますよね。
そこで今回は「ゲームと睡眠の関係」や「家庭でできる対策」について、わかりやすく解説していきます。
ゲームと睡眠の関係
まずは、ゲームが子どもの睡眠にどんな影響を与えるのかを確認しましょう。
寝る時間が遅くなる
日中は学校や習い事で忙しいでしょうから、ゲームは夜になってから遊ぶことが多いと思います。しかし楽しくてつい長引いてしまい、「気づいたら寝る時間(22時)を過ぎてた…」ということも。
さらに、スマホやタブレットの画面から出るブルーライトには、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を妨げる働きがあり、眠りにつきにくくなる原因にもなります。
「昨日もゲームしてたから起きられないの?」という朝のやりとりが続くようなら、ゲームの時間を見直したほうがよいでしょう。
脳が興奮する
最近のゲームには、リアルタイムで対戦したり、ボイスチャットで話したりする要素が豊富です。
これが子どもにとってとても楽しく、脳が興奮して眠気を感じにくくなります。
しかも、興奮すると「ドーパミン」という快楽を感じる物質が分泌され、「またやりたい」と思うようになります。
「あと5分だけ」と言いながら、気づけば1時間以上経っていた…というケースも珍しくないでしょう。
もし、ゲームに夢中で学校を休むことがあったり、日中の勉強に集中できない様子が続いたりしたら、それはゲーム依存のサインかもしれません。
熟睡できない
たとえ早めにベッドに入っても、その前にゲームを長時間していると、深い眠りに入りにくくなります。
調査によると、1〜2時間ゲームをすると寝つきが悪くなり、翌日の眠気が強くなる傾向があります。
さらに2時間以上遊ぶと「寝た気がしない」「悪夢を見る」という子が増えたそうです。
「朝、自分で起きられず何度も起こさないといけない」と感じたら、それは熟睡できていない証拠かもしれません。
参照:小学生におけるインターネットゲームと睡眠, 生活習慣,学業,気分との関連に関する横断的研究
睡眠を確保するために保護者ができること
小学生には、9〜10時間の睡眠が必要と言われています。ゲームの影響で眠れない日が続くと、成長や健康の妨げになってしまうのです。
「うちの子、最近寝不足かも」と感じたら、ゲームとの付き合い方を家族で見直してみましょう。ここからは、保護者が意識したいことをご紹介します。
ゲームの時間を決める
まずは、1日の中でゲームをしてもいい時間をあらかじめ決めておきましょう。たとえば「1日1時間まで」「夜9時以降はゲーム禁止」といったルールです。
大切なのは、子どもと一緒にルールを決めて、納得したうえで守らせること。「なんでダメなの?」という疑問には、「夜遅くまでゲームすると、朝つらくなるでしょ」と具体的に説明してあげましょう。
また、子どもの睡眠時間から逆算して一日のスケジュールを作ってあげると、自然と生活リズムも整ってきますよ。
ゲーム機などをベッドに持ち込ませない
「寝るよ」と言って自分の部屋に行ったのに、実はベッドでこっそりゲームしてた…なんてがっかりした経験もあるのではないでしょうか。
寝室にスマホやゲーム機があると、つい触ってしまうのは大人も同じですよね。
だからこそ、夜間はゲーム機やスマホをリビングで保管するなど、物理的に手が届かない工夫が効果的です。
また、「ゲームは家族のいる場所で遊ぶ(子ども部屋で遊ばない)」という約束をさせるのもよいでしょう。
ペアレンタルコントロールを設定する
「言っても聞かない」「こっそり遊んでる」そんな時に役立つのが、スマホやタブレットの「ペアレンタルコントロール」機能です。
「1時間を超えたら遊べなくする(利用時間の制限)」や、「夜9時以降はアプリにロックをかける」といった設定が可能です。
子どもは嫌がるかもしれませんが、「パパもママも時間を決めて使ってるよ」と、家族全体でルールを共有すると納得してくれることもあります。
医療機関に相談する
日常生活に支障が出ている場合は専門機関へ相談しましょう。最近では、児童精神科や小児科でネット・ゲーム依存について診てもらえるところが増えています。
「病院って大げさかな…」と感じるのであれば、都道府県の精神保健福祉センターでの無料相談もあります。電話でもOKなので、検討してみてください。
まとめ
ゲームは子どもにとって楽しいもの。でも、遊びすぎて睡眠が削られてしまうと、体の成長や学校での集中力にも影響が出てしまいます。
「ちょっとくらい大丈夫かな…」と思っていたことが、積み重なると大きな問題になることも。
だからこそ、ゲームの遊び方にルールを設けたり、寝る前の過ごし方を見直したりと、保護者が手助けするのが重要なんです。
子どもの健やかな毎日を守るために、この記事をぜひ参考にしてみてください。